かぐれオリジナルコスメシリーズ「KAGURE holistic beauty」は、2016年10月31日に5周年を迎えます。
たくさんの方にご愛用いただき、心より感謝申し上げます。
そそこで今回のholistic beauty lifeは、5周年を記念したスペシャルインタビューをお送りします。
商品プロデュースを手がける小松和子さんとのお話から、スキンケアということだけにとどまらないナチュラルコスメの可能性が見えてきました。
岩井: かぐれオリジナルコスメが発売されて5年経ちましたが、商品に対して、今どんな思いでいらっしゃいますか?
小松: 私は仕事柄、かぐれ以外の化粧品を使うこともよくあります。でも、元々アトピーや化学物質過敏症があり、最近はアルコールアレルギーにもなってしまったので、ナチュラルコスメブランドのものでも8割くらいは肌に合わず、刺激を覚えたり肌荒れしたりしてしまうんです。私の体質を知っている方からは、肌荒れしやすいのにいつも治るのが早いですよね、とよく言われるのですが、その理由の一つがかぐれのコスメなんですよ。
岩井: そうなんですか?
小松: 基本的に肌の調子が悪くなるとスキンケアをかぐれに戻すのですが、そうすると治りが早い。それは、ヘチマ水を始めとした炎症を抑える成分が多く配合されているおかげなんだと思います。ヘチマってね、なんとなく女子力上がらないような成分に聞こえるんですけど(笑)。
岩井: 昔から使われていて、ちょっと地味なイメージはあるのかもしれないですね。
小松:
ヘチマ水は200以上の含有成分があって、そのなかでもサポニンという成分は、皮脂と混ざり合って肌への浸透を助けてくれます。普通の水は、皮脂が弾いて浸透しにくいので、界面活性剤が一緒に配合されたりするんです。
さらにヘチマ水は、普通の水より分子が小さいので、細胞に入っていく。水分って、肌にもからだにも必要なので、水分が少なくなると、免疫力が落ちて乾燥肌や敏感肌になりやすくなります。年齢を重ねるほど肌荒れからの回復には時間がかかるので、肌にダメージがあるときは、質の良い水……たとえば植物水や海洋深層水などがメインで配合された化粧品を使うというのは本当に大切なことです。
岩井: なるほど。
小松: かぐれのコスメについてつくづく思うのは、何を使ってもやっぱりこれに戻るということ。この5年でたくさん新しいものは出てきていますが、かぐれは定番として変わらない。それがすごいなぁと思います。だって毎年季節は巡って、年齢も重ねているのに。
岩井: そうですね。普遍的に使えるものが作れたなぁというのはすごく思います。私自身、これまでもこれからも、ずっと使っていきたいですし。
小松: 使っているときの安心感は、私のなかでこれに勝るものはほかにないですね。もちろんすばらしいコスメはたくさんあるのですけれど、ただ、調子が悪くなったときの立ち上がりがここまで良いものはないです。刺激もないですし。
岩井: わかります。以前、化粧水のサンプルサイズを試されたお客さまが「うまく説明できないけれど、なんかすごく良かったんです!」と商品を購入してくださって。たとえばその細胞に入る感じとか、安心感とか、具体的に説明はできないのだけど、浸透してダメージが回復していくというのを肌で実感してくださっているのかなぁってうれしく思いました。
小松: 肌質には、乾燥肌や脂性肌、混合肌などがありますよね。でも、もしかしたらその人本来の肌質ではなく、間違ったケアによってなってしまった肌質なのかもしれない。それを、こういった化粧品を使うことで肌バランスを整えることができるんです。その人本来の普通肌に戻っていく。
長野: それって、本当にナチュラルコスメ、特にかぐれのコスメの強みですよね。体質改善と一緒で、肌質改善ができる。
小松: かぐれのコスメのテーマとして「回帰再生」というのがあって、まさにそれですね。
長野: 肌本来の力を取り戻すということですね。
小松: そうなんです。
岩井: 小松さんのところにも、何かお客さまからの反響などはありましたか?
小松: 私のところへカウンセリングにみえる方は、深刻な肌荒れに悩んでいる方がとても多くて。それは、化粧品ですべて治まるかといったらそうではなく、生活習慣や食事、ストレスなどもとても関係しているんですね。そういった全体的なカウンセリングに併せてかぐれのコスメをおすすめすると、愛用してくださって「もうこれがないと困ります」とみなさんおっしゃるんです。肌はもちろん、目の輝きまで変わって。そういうのを見ると、化粧品を作っていて良かったなぁとすごく思います。化粧品を通じて、肌だけではなく心のケアもできているのかなって。
長野: 肌がきれいになると、表情や気持ちも変わりますものね。
小松:
植物由来の化粧品って、もちろんその人によって合う・合わないがあるのですが、合ったときの効果はすごく大きいんじゃないかなと思います。だから、本物の植物の力を最大限に活かしたものを選んでほしいですね。
先日、ドイツにある「ドクターハウシュカ」というナチュラルコスメブランドの本社に伺ったのですが、そこのガーデンでは、すばらしい循環ができていました。水や土、虫、動物、植物……自然の一つひとつが調和して循環している気持ち良い空間。そういう場所で受ける感覚を、化粧品に注ぎ込んでいかなきゃいけないと改めて思ったんです。自然の恩恵を受けて化粧品ができていることを忘れてはいけないし、そういう場所を守っていかなくちゃいけない。
岩井: 本当にそうですね。かぐれのコスメを作ってくださっているメーカーさんも自社で有機農場をやられていて、先日畑からヘチマの実を送っていただいたのですが、これが私たちの化粧品になっているんだなぁって改めて感動しましたし、そういうつながりを実感できる環境をとてもありがたく思っています。
岩井: この5年で、ナチュラルコスメ業界はどう変化してきたと思われますか?
小松: 良い面も悪い面もありましたね。オーガニックやナチュラルという言葉を安易に使って、それらしく見える商品が増えているのは懸念しています。
岩井: 市場が広がっている分、消費者の選ぶ力というのがますます必要になりますよね。それは、表面上のうたい文句ではなく、たとえば成分一覧やブランドとしての取り組み方まで見てから購入する、ということなのでしょうか。
小松: あとは、やはりメーカー側がきちんと信頼できるものを作らないといけないですよね。
岩井: そういう意味でも、小松さんや信頼できるメーカーさんに開発や製造に関わっていただいていることは、私たちにとって本当にありがたいことです。私たち自身ももちろんですが、みなさんが信念をもっていらっしゃるので。
小松:
11月に開催される「オーガニックライフスタイルEXPO」*で私はナチュラルコスメゾーンの監修をしているのですが、すごく厳しい基準を設けて出展ブランドを選んでいます。
(*2016年11月18日(金)・19日(土) 東京国際フォーラムにて開催)
岩井:
かぐれも出展するのですが、そういう基準をクリアしたブランドが集まる場があるのは良いですよね。このEXPOは今回が第1回ですが、今後の展開もとても楽しみです。
ナチュラルコスメ業界の変化のなかで、良かった面はどういったところでしょうか?
小松: 技術がとても進歩しています。クリームも使い心地が良くなっているし、今までできなかったようなことができるようになっている。特にメイクアイテムは劇的に良くなっていますね。
岩井: 今後もさらに発展していきそうですね。
小松: すごく発展すると思います。たとえばシミとかたるみとか、皮膚の奥に作用させる化粧品というのは、ナチュラルコスメにはなかなか難しいんです。肌の機能を壊さない分、角質層までしか浸透しないように作っているので。でも、表面のケアでいえばナチュラルコスメに勝るものはなくなってくるかもしれませんよ。
岩井: 撮影業界でもナチュラルコスメがどんどん使われてきていますよね。かぐれのコスメも、ドラマや映画の現場で使っていただくことが多いのでうれしく思っていますし、ますます広がっていったらいいですね。